元サッカー日本女子代表として国内外で活躍し、現在はサッカーの解説から、スポーツの楽しさを伝える社団法人Smile Compass設立まで、幅広く活躍する岩渕真奈(いわぶち まな)さん。そんな岩渕さんが挑戦したのは、食品添加物・栽培期間中農薬不使用で育てられた照沼(てるぬま)の干し芋をフィルム巻き包装にして、手がベタつくことなく手軽に食べられる『いつでもほしいも』の共同開発です。
今回岩渕さんには、幼少期からの好物である干し芋への想いや、『いつでもほしいも』開発までのストーリー、干し芋を通して見る、スポーツや健康分野における補食の重要性とその未来を照沼・船奥と共にお話しいただきました。


デザインへの印象
――『いつでもほしいも』がついに完成しましたが、ご覧になっていかがですか?
岩渕真奈(以下、岩渕):改めてパッケージが可愛いなと。芋らしさと温かみを感じます。一方で、素敵なデザインの中にも、照沼さんの伝統的なマークが共存していて、可愛い中にもかっこよさもあって、どなたでも手を出しやすいものになっているな、と思います。
照沼・船奥元(以下、船奥):今回デザインいただいたのが映画「えんとつ町のプペル」アートディレクション・監修など活躍されている「かんかん」さんで、ポップなデザインからちょっとユニークなデザインまで幅広く書いていただける方です。『いつでもほしいも』のパッケージは、岩渕さんの親しみやすさをもとにして描いていただいたのですが、真ん中のおいもちゃんが可愛らしい、かんかんさんの自信作です。
弊社の干し芋は50代から60代の方々に人気がありますが、最近ではコンビニに干し芋が並んだり、高校生が干し芋を持っていることもあります。
昔は干し芋といえば、おばあちゃんの家にあるもの、という印象がありましたが、『いつでもほしいも』のデザインは、干し芋の価値観をアップデートする、どなたでも手に取っていただきやすいものになっていると思います。

岩渕さんと干し芋との歴史、『いつでもほしいも』がフィルム巻きである理由
――今回『いつでもほしいも』を開発するきっかけとなったのは、岩渕さんの干し芋好きな部分だと思いますが、いつ頃から召し上がられていたのでしょうか?
岩渕:母親が好きで、小さい時から身近にありました。大人になってもレジの横なんかにあると、ついついカゴに入れちゃいます。
なでしこジャパン代表活動の中でも、例えば練習からホテルに帰るバスの中で、チーム側からサラダチキンと一緒に提供してもらうこともあって。そんな背景から、自分では自然に食べていた干し芋が、身体に良く、運動後の補食として役割を果たすことを知りました。
チームのみんなも干し芋が好きで、「干し芋いる人ー」と声をかけたらあっという間になくなるほど人気でした。私は干し芋大好きなのでこっそり2枚食べていることも(笑)
でもどうしても手がベタつくことが気になっていて、練習後とかカバンを持ったりする時や荷物整理するときに汚れてしまうのが気になって食べづらかったこともあります。
――そのようなご経験が今回の『いつでもほしいも』を共同開発したきっかけになっているのでしょうか?
岩渕:そうですね、今回フィルム巻き包装になっているのは、もっと気軽に干し芋がいつでも食べられたらいいなと思い形にしました。
――照沼としても、このフィルム巻きは工夫した部分とお聞きしましたが、どのようなところを意識されたのでしょうか?
船奥:『いつでもほしいも』は、はじめは完全個包装を考えていました。しかしそれでは、手がかかり商品自体も割高になる部分が悩みでした。
そんな中「いつでも手軽に食べられる」のがコンセプトで、もっとシンプルにフィルムに包むだけで良いのでは?と気づいてからは、フィルム巻きの半個包装にすることで、手軽に手に取っていただきやすい価格と設計を両立させることに成功しました。
商品開発では作り込んでしまう事も多いのですが、まずはより多くのお客様に干し芋をお求めやすくお届けできるようにした部分が、今回意識したところです。

干し芋が新たな補食のスタンダードになる
――岩渕さんは現役時代含め食事面では普段からどのようなことに気をつけていますか?
岩渕:現役時代は食べすぎないように気をつけていました。引退してからは、体調を崩すことも増えてきて、その際に食品添加物などにも気をつけて摂取するようにしています。
――食品添加物を意識されるきっかけが何かあったのですか?
岩渕:海外に住んでいたときに、グルテンフリーを実践する方々やヴィーガンの方が多くいたことです。また、周囲でも食品添加物など、これまで自分で意識することが少なかった身体のことに目を向ける人も増えてきたこともきっかけの一つです。
船奥:岩渕さんのお話にもあるように、アメリカ含め欧米諸国では健康に目を向けられる中で、食品添加物、農薬不使用、そして最近では腸活や上質な糖の摂り方も着目されています。
その中でさつまいもは着目されていて、海外で活躍するトップアスリートの方々にもだんだんと干し芋を選んでいただいており、次なる補食として世界的にも受け入れられる可能性もあると感じています。岩渕さんもここの部分で感じられるところはありますか?
岩渕:そうですね、私は代表活動中は団体戦だったので、チームで出されるものにはなりますが、個人スポーツをされている方なんかは、やはり意識的に自身で摂取されている方もいますし、またアメリカなど海外の選手は多くの人が意識的に何が使われているかどうかの部分は気にされていると感じます。
船奥:海外はオーガニック含め注目度が上がっていますよね。そのような背景もあり、自分の身体を大事にする部分で言えば、アスリートの方々が最たるものと思っていて、今回は岩渕さんとの共同開発という部分もあり、「健康」や「もっと手軽に自分の身体を大切にするものを摂取できるようにする」ところをコンセプトに、食品添加物、農薬不使用の干し芋の使用を重要視して開発しました。
岩渕:そういった部分では世界的にも『いつでもほしいも』は新しい補食のスタンダードとして受け入れられるんではないかと感じています。海外ではさつまいも好きが多いなという印象で、ハンバーガー屋さんに行ったら、フライドポテトで、じゃがいもではなく、さつまいもがスイートポテトとして選べるんです。
ただ、現地は日本のものに比べて、オレンジ色のさつまいもなので、干し芋をみてスイートポテトだと思う人はどこまでいるのだろうかとも興味のある部分でもあります。日本でも今よりも食品添加物、農薬不使用のものが自然と選ばれる時代になっていくかなと思っています。
――その時代、期待に照沼の干し芋は応えられるでしょうか?
船奥:応えられます。
照沼はもともと1962年に干し芋の問屋から始まったんですが、20年ほど前に先代の社長が「もっと人や土に優しい農業をしたい」っていう想いから、有機農法に切り替えたんですよ。さつまいもはガスマスクをして土壌消毒を行ったりするので、「こんな環境で作ったものを食べてもらいたくない。従業員にこんなことさせたくない。」という想いがあったのです。収穫量が減るリスクもあったんですが、従業員や近隣地域の人たちにとっても安心な農業に会社の舵を切ったのです。これが照沼の想いです。
日本全国で見ても、安定して農薬を使用せずに育てたさつまいもを安定して出荷できる農家はほとんどなく、有機が売りで美味しさが犠牲になってしまっている干し芋も多く見受けられます。
干し芋を作る過程としては、生芋を収穫し、2ヶ月熟成させて原料としてのさつまいも自体を糖度20度ぐらいまで上げる必要があるのですが、農薬を使っているものと比べると農薬不使用品は原料としても腐りやすいんです。
なので栽培期間中農薬不使用で育てている照沼の干し芋は長年の技術と経験から腐らせずギリギリまで糖度をあげる為、コストが多くかかってしまいます。世界を知る岩渕さんとのコラボを通じて、そんな照沼のこだわりと想いのある干し芋をより多くのお客様に、様々な国の方々に届けたい想いが強いです。


照沼の干し芋が甘い理由
――岩渕さんは干し芋は丸干しや、平干し、しっとりしたものからカラッとしたものまでたくさんありますが、どのような干し芋が好みですか?
岩渕:普段から平干しの中でも柔らかそうな硬すぎないものが好きなんです。干し芋ってものによると思っていて、味気ない干し芋もあると思う中でそれでいったら、私は照沼さんにお会いするまで、丸干しのようなものをあまり食べたことがなかったので、あの丸干しを食べた時のさつまいもの甘さを感じた瞬間は忘れられないですね。
船奥:そうなんですよ!干し芋は糖度で65〜75度ぐらいまであるのですが、丸干しはしっとりしているため甘さを感じやすいところがあります。逆に普通の干し芋は70度あっても、甘さをあまり感じない時があります。それは水分率が関係するのですが、弊社の干し芋は水分率も高く、もちもちしてしかも柔らかい。そこがポイントではあるのですが、1つだけデメリットを言うとベタつくところが難しいところでもあります。
なので、今回は美味しい干し芋知ってるかい、ベタつくんだぜ!それを『いつでもほしいも』はおいしさも食べやすさも両立しているんだ、と言うところも併せてお伝えしていきたいですね。
また、これは余談ですが最近は弊社では焼き芋を手作りで作って販売していて、糖度を毎回測ると50度を下回ったのはたったの50日中3日間だけでした。そのような背景もあり、有機さつまいもの中では照沼のものは美味しさも兼ね備えている自負もあります。
――ちなみに岩渕さんは照沼に来られたとのことですが、その時の印象はどのようなものをお持ちでしょうか?
岩渕:照沼さんにお伺いした時に、実際に芋を作っている畑にお邪魔して苗を植えている時に、ほんと暑い中従業員の方が一生懸命されていて、私も一緒にお手伝いしたのですが大変な作業だなと思いました。その中で元気な方が多いなと!暑い中「ゼリー食べな」とくれたり。
普段は実際に干し芋を食べる時作っている人を想像しないと思うのですが、関わらせていただいて素敵な人が一生懸命明るく作業されているのをみて、素敵な場所だなと思いました。
船奥:ゼリーをくれたのはこの道30年レジェンドの小池工場長ですかね!(笑)今の時期は苗植えを所属する社員全員で一生懸命しています。たまに原っぱでみんなでお弁当なんかも食べてるんですがそのような風景もまた良いなと感じています。
いつでもほしいもと今後の展望
――岩渕さんはどんな人に『いつでもほしいも』を食べてほしいでしょうか?また『いつでもほしいも』を通してしていきたいことはありますでしょうか?
岩渕:良い意味で誰でも良いです(笑)ほんとグミみたいなテンションで、それこそ高校生とかに食べてほしいですね。これまでは干し芋を食べようと思ったら「今開ける!?今じゃないでしょ!」ってなることも多かったんですが、『いつでもほしいも』は、手軽にどこでも食べて欲しいというところが一番です。
また、運動した後すぐご飯食べれない部活帰りの学生や、普段働いてる中でちょっとした補食としてベストだと思います。プロテインは私も現役時代あまり摂取していなかったんですが、プロテインより自然で良いのではないか、と思う部分もありますし、腹持ちも良いと思います。
そういう「何を摂取するのが自分にとって良いものなのか」といった部分を今回の『いつでもほしいも』を通して、アスリートやスポーツを頑張っている若い子たちに伝えていきたいです。
あとがき
インタビュー中自然体で、お話ししてくださった岩渕さんですが、健康や運動のために最近ヨガを始められたらしく、終わった後食べるものには気をつけなきゃいけない中で、干し芋は栄養もあって美味しいので気にせず食べれる部分が嬉しいところだと感じているそうです。
今回の『いつでもほしいも』は2025年6月16日(月)18:00〜CAMPFIREにて先行発売!その中には岩渕さんと直接お話しできる機会も計画中です。お楽しみに!