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干し芋の家庭での作り方

Category: 芋の豆知識 Posted on

栄養たっぷりの干し芋を家庭でも作ってみたい、そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか?

家庭菜園雑誌「野菜だより」(株式会社ブティック社発行 2021年3月号)の取材で、「家庭での干し芋の作り方」を掲載いただきました。手間暇はかかりますが、美味しい原料芋さえあれば、家庭でも栄養満点の干し芋を作ることが可能です。以下、紹介させていただきます。

 

家庭での干し芋の作り方(野菜だより 2021年3月号より)

「甘く」「やわらかい」干し芋をつくろう

干し芋に向くのは、1本250~350gのさつまいも。掘りたてではおいしくできないので、

必ず追熟させたものを使って作るのが最大のポイント。

おいしい干し芋をつくろう!

1.洗って鍋に入れる

よく洗ってから蒸し器に入れる。火の通りを均一にするため、重ねないように並べる。

 

2.じっくりと蒸す

フタをして強火にかけ湯気が立ったら、湯気が立つほどの火加減に弱め、1時間から2時間、じっくりと蒸す。

 

3.竹串で確認する

竹串を刺して蒸し加減をチェック。中心部までスーっと入れば蒸上がり。蒸しすぎにも注意。

 

干し芋づくりは「蒸す」「切る」「干す」のシンプルな工程ですが、それぞれにコツがあります。

さつまいもを加熱すると、65〜75度で、デンプンが麦芽糖に変わり、さらに甘くおいしくなります。

1時間半から2時間かけて、じっくりと蒸し上げることで甘さが引き出されるので、強火で一気に蒸すのは避けましょう。

会社では、さつまいもの中心部が72度を保つように蒸しています。

4.熱いうちに皮をむく

熱いので軍手やフキンで持ちながら割り箸、バターナイフなどでむく。

 

下の写真に見える、茶色い甘皮も取ると、きれいな色に仕上がる。

 

きれいにむけた!

熱いうちに手早くむくと、ツルンときれいにむける。

このまま食べたいくらい、いい香り!

 

5.少し冷めてから切る

熱いうちに切ると崩れやすいので、少し冷めてから1㎝ほどの厚さに切る。

 

縦に切るほか、輪切りも食べやすいので試してみたい。

 

皮をむくのは熱いうちに、切るのは少し冷めてから行うときれいに仕上がります。

会社でもむくのは11本手作業です。切るのはピアノ線を張った切断機を使いますが、家庭では包丁で十分です。

6.崩さないように並べる

乾燥ネットやザルに並べる。やわらかくて崩れやすいので、重ねたまま。ふわっと持って、一枚ずつていねいに置いていく。

 

7.1週間ほど天日で干す

日中、日当たりと風通しの良い場所で一週間ほど干す。夜は室内に取り込むか、夜露が当たらない場所に入れる。

 

蒸したてのさつまいもは水分が67~68%。干すことで甘味と栄養が凝縮されます。

2日に1度くらい表裏を返しながら 1週間ほど干してください。

水分が22%前後になり、保存の利くおいしい干し芋になります。

干しすぎると食感がかたくなりますので、様子を見ながら、干し上がりは、2つに折っても割れない状態を目指してください。

自家製だからこそお好みの仕上がりで

ご家庭で干し芋をつくるなら、ぜひ日によって違うおいしさを楽しんでください。

私は、干して3~4日目が好きです。半生くらいの状態で、とてもおいしいですよ。

高級スイーツにも負けない上品な甘さです。

保存のためにはよく干すといいのですが、干しすぎると食感がかたくなってしまいます。

すぐ食べるのであれば水分が多くても大丈夫。

いちばん好きな段階で食べられるのも自家製ならではの醍醐味。

お好きな干し具合で冷蔵・冷凍保存もできますので、毎日、食べながらお好みの状態を見つけるのも楽しいですね。

編集部で実践!1週間、干しながら毎日食べてみました

1日目

蒸したてはとろけるようなやわらかさ。甘味

と香りが口いっぱいに広がります。

 

2日目

表面がやや乾き始めたけれど中はしっとり。昨日より食感がよく、

いくつでも食べられそう。

3日目

表面の乾燥が進み、やわらかい中身との食感の違いが楽しめます。

半生くらいで、とてもおいしい!

4日目

見た目は干しイモだけれど、ねっとりした食感になってきました。

 

5日目

色が美しいべっ甲色になりました。ねっとり感が増し、

歯ごたえもあっておいしい。

6日目

初日とはまるで変わった、もっちりした食感。

味と甘さが凝縮されています。

7日目

完成!折っても割れないやわらかさ。

さつまいもの香りと甘さが生きていて、本当においしい!

 

「干し芋」は優れた保存食

干し芋づくりは、江戸時代後期に静岡県御前崎市で始まりました。

熟成させたさつまいもを蒸して干すだけで、保存料や添加物を一切使っていない自然食品でありながら

「甘くておいしい」「保存が利く」「携帯できる」便利な食品として、長く愛されてきた伝統加工食品です。

戦時中にも兵士の携帯食や、市民の保存食としてつくられてきました。

茨城県に伝わったのは、明治時代。干し芋づくりに向いた気候に恵まれ、

昭和30年には静岡県を抜いて生産量第1位になりました。

2020年にはひたちなか市に「ほしいも神社」が創設され「ほしいものが手に入る」ご利益があるとして人気を集めています。

食物繊維が多く、ビタミン、カリウムなどの栄養素を多く含み、 脂質はほとんどありません。

カロリーは多めですが、タンパク質を含んでいるため腹持ちがよく、

ダイエットや筋トレに向くと、最近では健康食品としても注目されています。

上手に保存すれば長い間、楽しめる

干し芋はそのまま置いておくと空気に当たって水分が抜け、かたくなってしまうので、

保存する場合は必ず1枚づつラップに包んでください。

さらに保存袋などに入れて冷蔵庫なら1週間、冷凍庫なら1年はおいしくいただけます。

冷凍したものは自然解凍がおすすめですが、夏場なら冷蔵庫に移してゆっくり解凍するといいでしょう。

食べるときはトースターなどで少し温めると、甘味が増しておいしいです。

健康食品、保存食としても優れている干し芋。ぜひ、ご家庭でつくって、長く楽しんでください。

 

「野菜だより」2021年3月号 株式会社ブティック社 発行

写真 鈴木 忍


以上、記事の抜粋になります。

家庭で作る干し芋用の生芋には、土づくりから始めて十数年かけて作り上げた自社農園で栽培する茨城県産紅はるかがおすすめです(販売時期は、冬から春にかけてがメインになります)。自社農園で栽培した紅はるかを原料とした、創業60年の老舗が作るこだわりの干し芋も是非ご賞味ください。

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